合掌
師走の候なりし、肌に冷寒を感じる時季節の変わりに、輝星を見上げる愚生である。光陰矢の如し流水去りてかって還らず、時の流れの早さを感ずる一年で御座いました。日本青少年更生社のホームページご覧戴いている皆々様各位お元気で御座いましょうか。今、愚生も試練の中にあって、悠然とし日々精進致しております故
御休心下されまし候。本年は更生社の一滴の水が、大輪の如く関東地区に於いて広がりつつ、東日本支局・関東支局と二つの支局が設立致しました。これ一重に犯罪更生者の定職と帰住を助力し、一人でも社会に役に立つ人造り、底辺からの世直しの小さな運動の始まりで御座います。今日、約千年も前、宋代の詩人の歌を想い浮かべ一人静謐の想い馳せるので御座います。
蘇東披は獄に六年余り因われ、まあなんと言いましょうか、犯罪更生者の一人ではないかと愚生は友誼を感じ得ないので御座います。
「赤壁の賦」
蘇子・曰く
客も亦に夫の水と月とを知れるか
逝く者は斯くの如くにて
而も未だ嘗て往かざるなり
盈虚する者は彼の如くにして
而も卒に消長する莫きなり
蓋し将た其の変ずる者よりして之を観れば
則ち天地も會て以て一瞬たること能わず
其の変せざる者よりして之を観れば
則ち物と我と皆尽くる無きなり
而るを又た何をか羨まんや
無常観を表した蘇東坡の思想が表われている詩で御座います。
私達、犯罪更生者も決して順風満帆の日々ばかりでは御座いません。辛苦に耐え試練に屈せず、堅忍不抜の精神こそ己を支える人格向上の教えで御座います。
このページは、全国漢文教育学会会長石川忠久先生の「蘇東坡の歩いた道より」
御教えを請うた次第で御座います。千年の時を越え囹圄の身を同感する愚生で御座います。本年は就労技術支援ホーム建設に当たり御協力戴きまして心より感謝の意
いたす次第で御座います。後一歩の完成迄御支援の程宜しくお願い致し御報告と愚生の想いで御座います。御機嫌用召されし良いお年をお迎え下さいまし候也
平成二十七年十二月十二日書
愚生 西山 俊一郞
赤壁の賦
(私は言った。「あなたはあの水と月とを知っていますか。川の水はこのように流れ去ってゆきますが、行ったきり無くなったりはしません。空の月はあのように満ち欠けしますが、決して消えて無くなったりはしません。思うに、その変化する点から見れば、天地は一瞬たりともそのままではいられません。だが、その変化しない点から見れば、物も私も尽きることはないのです。それなのに、何を羨んでいるのですか」 訳)
御礼
東京支局、横浜支局、今治支局、神戸地区、熊本支局、東日本支局、関東支局と7ヶ所に更生社の灯が今光り輝いているのでございます。この支局長・地区責任者である者たちも、社会の荒波と辛苦を乗り越えてきた武士(もののふ)達でございます。人の為、世の為、自己の為に、真摯に犯罪更生社運動に心命をかけている者たちで御座います。更生社本局、ならびに、各支局の社会に役に立つ人つくりの運動が大きく動き出しました。本日、囹圄の身より、犯罪更生社の就労技術支援ホームの寄付金を受け取りました。一般の社会の人々に私の運動は許容されない所がありますが、熊本支局長の様な、希(まれ)な人間もいる事を皆様に知って戴きたいと思う次第であります。何分、我々のこの小さな運動は社会にお役にたてることを願い、本年の締めに致します。
2015/12/22 愚生 西山 俊一郞
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